第2章:介護保険と支援制度を理解し、使える状態にする(申請・サービス・費用・保険外支援)

社会保障制度・社会システム

― 申請・サービス・費用・保険外支援を整理し、介護離職を防ぐ ―

本記事は、「介護離職しないための8ステップ+1と実践法」シリーズのステップ2です。
介護が始まると、仕事の調整以前に「制度が分からず動けない」状態になりがちです。
そこで本章では、介護保険の仕組み/申請手順/受けられるサービス/費用の目安と負担軽減策/介護保険外の支援までを、ひとつの流れとして整理します。

※本記事は、**Webサイト・介護終活.com(https://kaigoshukatsu.com)で公開していた「第2章の関連記事(旧2-1~2-4)」**を、重複を整理しつつ統合・加筆修正した“改訂統合版”です
旧記事は、内容の重複を避けるため、順次、非公開化/リダイレクト/canonical設定などで整理します(検索エンジン向けにも重複を残さない運用を行います)。

介護離職を防ぐためには、介護が必要になってから慌てて対応するのではなく、介護保険制度と支援サービスを「使える知識」として事前に理解しておくことが欠かせません。

介護保険制度は、申請・認定・ケアプラン作成・サービス利用という一定の流れに沿って運用されています。
また、実際の介護では、公的介護保険サービスだけでなく、在宅看護や介護保険外サービス、自治体独自の支援制度、民間保険などを組み合わせて活用する場面も少なくありません。

本章(ステップ2)では、
・介護保険制度の基本的な仕組み
・申請からサービス利用までの具体的な手順
・利用できるサービスの種類と費用の考え方
・公的制度だけに頼らない支援の選択肢
を体系的に整理し、介護と仕事を両立するための土台づくりを行います。


介護保険制度は、高齢者や一定の条件に該当する人が、必要な介護サービスを受けるための公的な仕組みです。
しかし、「誰が」「どのような条件で」「どこまで利用できるのか」を正確に理解していないと、制度を十分に活用することはできません。

この節では、介護保険制度の基本的な仕組みや被保険者区分、利用対象となる条件を整理し、介護が必要になった際の前提知識を確認します。
制度の全体像を把握することで、次の申請・手続きへとスムーズにつなげていきましょう。

介護保険制度は、高齢者や特定の疾患にかかった人々が必要な介護サービスを受けるための公的な保険制度です。
1997年制定、2000年4月から施行され、市区町村(=保険者)が制度を運営しています。

・介護保険被保険者:
40歳以上の人は、介護保険の被保険者となります。
その中の、65歳以上は第1号被保険者、40~64歳までの医療保険に加入している人は、第2号被保険者とされます。
財源と運営
介護保険制度の財源は、被保険者が支払う保険料と国・地方自治体からの公費負担で構成されています。
被保険者の年齢や収入によって保険料が異なるため、公平な負担が求められています。
サービスの種類
介護保険制度では、施設サービス、居宅サービス、地域密着型サービス、予防サービスなどが提供されています。
これにより、利用者は自分の状態や希望に応じたサービスを選ぶことができます。
・介護保険法:
介護保険制度は、「介護保険法」によって規定されており、改正・施行のタイミングは更新されるため、e-Gov法令検索で最新を確認してください。
その詳細は介護保険法のリンクで確認できます。
参考までに、同法の目次を挙げています。

<参考>:介護保険法:目次
第一章 総則(第一条―第八条の二)・
第二章 被保険者(第九条―第十三条)
第三章 介護認定審査会(第十四条―第十七条)
第四章 保険給付
 第一節 通則(第十八条―第二十六条)
 第二節 認定(第二十七条―第三十九条)
 第三節 介護給付(第四十条―第五十一条の四)
 第四節 予防給付(第五十二条―第六十一条の四)
 第五節 市町村特別給付(第六十二条)
 第六節 保険給付の制限等(第六十三条―第六十九条)
第五章 介護支援専門員並びに事業者及び施設
 第一節 介護支援専門員
  第一款 登録等(第六十九条の二―第六十九条の十)
  第二款 登録試験問題作成機関の登録、指定試験実施機関及び指定研修実施機関の指定等(第六十九条の十一―第六十九条の三十三)
  第三款 義務等(第六十九条の三十四―第六十九条の三十九)
 第二節 指定居宅サービス事業者(第七十条―第七十八条)
 第三節 指定地域密着型サービス事業者(第七十八条の二―第七十八条の十七)
 第四節 指定居宅介護支援事業者(第七十九条―第八十五条)
 第五節 介護保険施設
  第一款 指定介護老人福祉施設(第八十六条―第九十三条)
  第二款 介護老人保健施設(第九十四条―第百六条)
  第三款 介護医療院(第百七条―第百十五条)
 第六節 指定介護予防サービス事業者(第百十五条の二―第百十五条の十一)
 第七節 指定地域密着型介護予防サービス事業者(第百十五条の十二―第百十五条の二十一)
 第八節 指定介護予防支援事業者(第百十五条の二十二―第百十五条の三十一)
 第九節 業務管理体制の整備(第百十五条の三十二―第百十五条の三十四)
 第十節 介護サービス情報の公表(第百十五条の三十五―第百十五条の四十四)
 第十一節 介護サービス事業者経営情報の調査及び分析等(第百十五条の四十四の二)
第六章 地域支援事業等(第百十五条の四十五―第百十五条の四十九)
第七章 介護保険事業計画(第百十六条―第百二十条の二)
第八章 費用等
 第一節 費用の負担(第百二十一条―第百四十六条)
 第二節 財政安定化基金等(第百四十七条―第百四十九条)
 第三節 医療保険者の納付金(第百五十条―第百五十九条)
 第九章 社会保険診療報酬支払基金の介護保険関係業務(第百六十条―第百七十五条)
第十章 国民健康保険団体連合会の介護保険事業関係業務(第百七十六条―第百七十八条)
第十一章 介護給付費等審査委員会(第百七十九条―第百八十二条)
第十二章 審査請求(第百八十三条―第百九十六条)
第十三章 雑則(第百九十七条―第二百四条)
第十四章 罰則(第二百五条―第二百十五条)
附則

・要支援サービスの自治体総合事業化
なお、同法<第4章保険給付>にある、要支援者に対するサービスである「予防給付」のうち、介護予防訪問介護と介護予防通所介護が、平成27年2015年4月から介護予防・日常生活支援総合事業に移行され、市町村の事業とされています。
総合事業には、従前の介護予防訪問介護と介護予防通所介護から移行し、要支援者と基本チェックリストで支援が必要と判断された方(事業対象者)に対して必要な支援を行う事業(サービス事業)と、65歳以上の方に対して体操教室等の介護予防を行う事業(一般介護予防事業)があります。

介護保険サービスを利用者できるのは、次の被保険者です。
 ①<40歳~64歳までの人>(第2号被保険者):初老期の認知症、脳血管疾患など老化が原因とされる病気(※特定疾病)により、要介護状態や要支援状態になった場合。

 ②<65歳以上の人>(第1号被保険者):寝たきりや認知症などにより、介護を必要とする状態(要介護状態)になったり、家事や身じたく等、日常生活に支援が必要な状態(要支援状態)になった場合。

③介護保険被保険者証:①及び②に該当する人には「介護保険被保険者証」が発行されます。

介護保険を利用するには、以下の条件を満たす必要があります。
① 被保険者の種類と年齢条件
65歳以上の第1号被保険者: 基本的に全員が対象で、要介護認定を受けた場合に介護サービスを利用できます。
40歳から64歳までの第2号被保険者: 特定疾病(アルツハイマー病、脳血管疾患など)により要介護状態となった場合に対象となります。
② 要介護・要支援認定
介護給付や予防給付のサービスを利用するには要介護認定もしくは要支援認定を受ける必要があります。
要介護度は、要支援1・2から要介護1~5までの7段階に分かれており、それぞれの要介護度に応じたサービスが提供されます。

介護保険制度の運営に必要な資金は、被保険者が支払う保険料と、公費負担(国・地方自治体)から成り立っています。
ここでは、保険料の仕組み、個人負担の現状、そして今後の課題について解説します。

1)介護保険料の仕組み

介護保険料は、基本的に被保険者の年齢と所得に基づいて以下のようになっています。
第1号被保険者(65歳以上):
介護保険料は市区町村ごとに設定され、所得に応じて複数の区分に分けられます。
実際の負担額は自治体によって異なり、低い自治体では月額約3,000円程度、高い自治体では月額約7,000円程度となっています。
年金からの天引きが主な徴収方法で、年金額が一定額以下の場合は口座振替などでの支払いも可能です。
因みに、筆者の今年度令和6年度の介護保険料は、年額69,760円、平均月額5,813円、妻は54,720円、同4,560円、夫婦合計124,480円、同10,373円になっています。
この金額が、原則、年金から差し引かれます。
第2号被保険者(40歳から64歳)
医療保険と一体化されているため、健康保険料の一部として徴収されます。
給与からの天引きが基本です。

2)個人自己負担の現状

介護保険の利用者は、保険料に加えて、介護サービスの利用時に自己負担分を支払う必要があります。
自己負担額は原則として通常は1割ですが、所得や資産に応じて2割または3割に引き上げられます。
この自己負担割合は、保険制度改定時ごとに引き上げられる傾向にあり、介護費用の増加に対応するための措置とされています。

3)今後の課題

今年度、団塊世代が全員後期高齢者になる等、日本の超高齢化が急速に進む中、介護保険制度の維持にはいくつかの課題があります。
保険料の負担増大:高齢化に伴う介護サービス利用者の増加により、介護保険の支出は増加傾向にあります。
このため、保険料の引き上げや自己負担割合の変更が議論され、実際個人の負担が増え続けています。
特に現役世代である第2号被保険者の保険料負担が問題視されており、今後さらなる負担増が懸念されています。
財政問題:介護保険制度の財源確保は重要な課題とされています。
公費負担が大きくなる中で、財政的な持続可能性が問われています。
これに対処するためには、制度改革や効率的なサービス提供が必要とされています。
しかし、実際には、介護保険料負担及び介護サービス利用時の自己負担が毎年増しており、制度改悪以外のなにものでもありません。
介護人材の不足:高齢化は少子化とも一体のものであり、少子化は労働人口の減少、介護人材の不足と直接に繋がっています。
また介護職員の賃金は、他産業・業種・職種の賃金に比べて低く、かつ介護現場の労働の厳しさもあって、人材不足は慢性的になっています。
加えて、現場スタッフの高齢化も進み、介護施設の利用に困難な状況を招く要因となり、介護離職の遠因となる可能性もあるわけです。

介護離職をなんとか防ぐためには、まず「介護保険法」をしっかり理解することから。
介護保険法には、介護サービスを利用する上で知っておくべき事項が規定されています。
法律の条文をそのまま読んでも、なかなか理解できない、理解しづらいもの。
次節以降、このステップ2(第2章)で取り上げる内容を何度も確認していって頂きたいと思います。

次節は、介護保険制度において重要な位置を占める要介護・要支援の認定に関する「介護保険申請の手順と必要書類」を取り上げます。

介護保険サービスを利用するためには、必ず「要介護・要支援認定」を受ける必要があります。
この申請手続きや流れを事前に知っているかどうかで、実際に介護が始まった際の負担は大きく変わります。

この節では、要介護認定の申請方法、認定調査や主治医意見書の役割、認定結果の通知までの流れを具体的に整理します。
手続きの全体像を把握し、「何を」「いつ」「どこで」行えばよいのかを明確にしておきましょう。

介護保険の利用を開始するには、まず要介護認定を受ける必要があります。
申請から審査、認定決定までの手順を示しました。

1)市区町村介護保険課での申請

要介護認定の申請介護保険によるサービスを利用するには、要介護認定の申請が必要になります。
居住している市区町村の介護保険担当窓口(福祉課など)もしくは地域包括支援センターで申請します。
申請には、所定の申請書に必要事項を記入し、介護保険被保険者証を添えて提出します。
また、40~64歳までの人(第2号被保険者)が申請を行なう場合は、医療保険証が必要です。
申請は本人または代理人が行うことができます。

2)認定調査および主治医意見書

上記の申請に基づき、市区町村等の調査員または委託を受けた調査員が、申請者の自宅や施設等を訪問。
日常生活の状況や心身の状態を確認するための認定調査を行います。
また、審査に必要な「主治医意見書」は市区町村が主治医に作成を依頼をします。
主治医は、申請者の健康状態や介護が必要な程度について意見書として作成します。
主治医がいない場合は、市区町村の指定医の診察が必要です。
なお、申請者の意見書作成料の自己負担はありません。

3)介護認定審査会による審査判定

一次判定:調査結果及び主治医意見書の一部の項目はコンピュータに入力され、全国一律の判定方法で要介護度の判定が行なわれます。
二次判定:一次判定の認定調査結果と主治医意見書に基づき、介護認定審査会が要介護度の判定を行ないます。
コンピュータによる一次判定は、その方の認定調査の結果を基に、約3,500人に対し行った「1分間タイムスタディ・データ」から推計します。
一次判定のコンピュータシステムは、
・認定調査の項目等ごとに選択肢を設け、
・調査結果に従い、それぞれの高齢者を分類してゆき、
・「1分間タイムスタディ・データ」の中からその心身の状況が最も近い高齢者のデータを探しだして、
・そのデータから要介護認定等基準時間を推計する
システムです。
この方法は以下の樹形モデルと呼ばれるものです。


4)認定および認定結果の通知

市区町村は、介護認定審査会の判定結果にもとづき要介護認定を行ない、申請者に結果が通知され、要介護度が決定します。
申請から認定の通知までは原則30日以内に行なわれます。

5)認定度合い:要支援1・2から要介護1~5までの7段階および非該当

推計は、5分野(直接生活介助、間接生活介助、BPSD関連行為、機能訓練関連行為、医療関連行為)について、要介護認定等基準時間を算出し、その時間と認知症加算の合計を基に、以下のように要支援1~要介護5に判定されます。

なお、要介護認定において「非該当」と認定された方でも、市区町村が行っている地域支援事業などにより、生活機能を維持するためのサービスや生活支援サービスが利用できる場合があります。
それぞれの市区町村又は地域包括支援センターに相談して下さい。
(参考)⇒ 要介護認定はどのように行われるか (mhlw.go.jp)

介護保険の申請には以下の書類が必要です。
介護保険申請書: 市区町村の介護保険課で配布されています。
被保険者証の写し: 申請者が第1号被保険者は、既に持っている「介護保険被保険者証」を提出します。
審査結果に応じて、要介護度を記述した新しい被保険者証が交付されます。
なお、申請後から新しい被保険者証が交付されるまでの間、「介護保険資格者証」が送付され、必要時には、代わりにこの「資格者証」を利用します。
また、第2号被保険者である場合にも「被保険者証」の写しが必要です。
主治医意見書: 診断内容を確認するためのもので、申請時に同時に提出することが望ましいです。
注意点とアドバイス
申請のタイミング: 介護が必要になったと感じたら、早めに申請することが大切です。申請から認定までに時間がかかることがあります。
書類の準備: 必要書類を事前に揃えておくことで、スムーズな手続きが可能になります。
相談窓口の活用: 市区町村や地域包括支援センターなどの相談窓口を活用して、手続きに関する不明点を解消しましょう。

実際にサービスを受けるにはどうしたらいいのでしょうか。
ケアプランなしに介護サービスは受けることができません。
以下、確認していきます。

1)介護(介護予防)サービス計画書(ケアプラン)の作成

サービスを利用する場合は、介護(介護予防)サービス計画書(ケアプラン)の作成が必要となります。
「要支援1」「要支援2」と認定された方の「介護予防サービス計画書」地域包括支援センターに相談します。
「要介護1~要介護5」認定の方の「介護サービス計画書」は、介護支援専門員(ケアマネジャー)のいる、市区町村の指定を受けた居宅介護支援事業者(ケアプラン作成事業者)へ依頼します。
但し、在宅のサービスを利用する場合は、居宅介護支援事業者(介護支援専門員)にケアプランを作成してもらい、
施設のサービスを利用する場合は、施設の介護支援専門員にケアプランを作成してもらいます。
依頼を受けた介護支援専門員は、どのサービスをどう利用するか、本人や家族の希望、心身の状態を充分考慮して、介護サービス計画書を作成します。

2)ケアプランに基づいた介護(介護予防)サービス利用の開始

ケアプランとは、どのような介護サービスをいつ、どれだけ利用するかを決める計画のことです。
介護保険では、要介護度に応じて受けられるサービスが決まっています。
自分の要介護度が判定された後は、自分が「どんな介護サービスを受けるか」「どういった事業所を選ぶか」について、上記の相談や依頼内容に基づき、介護や支援の必要性に応じてサービスを組み合わせたサービス計画書(ケアプラン)を作成します。
この計画書ケアプランに基づき介護サービス事業所と契約を結び、サービス利用が始まります。


では実際にどのようなサービスを受けることができるのかを見ていきます。
まず要介護度の違い、要介護1以上と要支援、2区分によって、介護給付予防給付の2種類に分けられます。

1)介護給付と予防給付

①介護給付要介護1~5と認定された方が利用できるサービス
②予防給付要支援1~2と認定された方が利用できるサービス。介護予防(生活機能を維持・向上させ、要介護状態にあることを予防すること)に適した、軽度者向けの内容・期間・方法で提供されるサービス

2)サービスの種類(概要)

この2種類をまとめた上で、サービスの種類を大きく分けると次のようなサービスを受けることができます。


3)介護保険で利用できるサービスの種類と内容

上記の6種類のサービスを実際に受ける状況を想定してより具体的に分類したのが、以下の一覧表です。
介護の相談・ケアプラン作成
自宅に介護サービス提供者が訪問して行うサービス訪問介護、訪問入浴、訪問看護、訪問リハビリ、夜間対応訪問介護、定期巡回・臨時対応型居宅訪問介護看護
施設に通って受けるサービス通所介護(デイサービス)、通所リハビリ、地域密着型通所介護、療養通所介護、認知対応型通所介護
・訪問・通い・宿泊を組み合わせて受けるサービス小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護(複合サービス)
・短期間の宿泊サービス短期入所生活介護(ショートステイ)、短期入所療養介護
・施設等での生活時に受けるサービス介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設(老健)、介護療養型医療施設、特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム、軽費老人ホーム等)、介護医療院
・地域密着型サービス(地域に密着した小規模な施設等)認知症対応型共同生活介護(グループホーム)、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、地域密着型特定施設生活介護
・福祉用具を使用福祉用具貸与、特定福祉用具販売

それぞれの具体的な内容については、以下のリンクを開いていただくと下図が示されます。
該当する施設やサービスのリンク先で確認できます。
⇒ 公表されている介護サービスについて | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」 (mhlw.go.jp)


以上の内容については、当シリーズの別記事で取り上げますので、その際にも確認してください。

一度認定を受けた後、その認定期間には有効期限があります。
・新規、変更申請:新規申込み認定後、変更申請を行う場合は、原則6ヶ月以内に行う必要があります(状態に応じ3~12ヶ月まで設定)
・更新申請:通常認定後は、原則12ヶ月間が有効期限です。(状態に応じ3~24ヶ月まで設定)
有効期間を経過すると介護サービスが利用できないので、有効期間満了までに認定の更新申請が必要となります。
なお、身体の状態に変化が生じたときは、有効期間の途中でも、要介護認定の変更の申請をすることができます。

以上、今回記事は、ほぼ厚生労働省のHPの内容と資料を参考に用いました。
この機会に、以下のリンクで、一層掘り下げて、詳しい内容を見て頂ければと思います。
介護保険とは | 介護保険の解説 | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」 (mhlw.go.jp)
サービス利用までの流れ | 介護保険の解説 | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」 (mhlw.go.jp)
公表されている介護サービスについて | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」 (mhlw.go.jp)
最初にお読みください | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」 (mhlw.go.jp)
介護保険の解説 | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」 (mhlw.go.jp)

「介護保険法」を受けて、この法律で制定している介護サービスを受けるための必要手続きや受けることができるサービスについて基本的な枠組みを確認しました。
今回の内容も、介護離職に直結するものではないかもしれませんが、これらの内容を知ることで、家族や自身の介護について考える備えの一端に触れることができたと思います。

次節は、「在宅看護、介護保険外サービスとその他の支援制度の利用可能性」を取り上げます。

介護は、公的介護保険サービスだけで完結するとは限りません。
在宅看護や介護保険外の民間サービス、自治体独自の支援制度、NPOやボランティア団体などを組み合わせることで、介護の負担を大きく軽減できる場合があります。

この節では、公的制度の枠を超えた支援の選択肢を整理し、それぞれの特徴や活用時の注意点を確認します。
介護を長期的に続けるための「現実的な支え方」を考える視点を身につけていきましょう。

1)在宅看護とは

在宅看護は、自宅で医療や看護サービスを受けられる仕組みです。
主なサービス内容には、看護師による定期的な訪問、医療機器の提供、服薬管理、リハビリテーション支援、食事や栄養管理が含まれます。
特に以下のようなケースで有効です。
慢性疾患の管理:糖尿病や心臓病など、慢性疾患のある患者が自宅で継続的なケアを受ける場合。
リハビリテーション:骨折や手術後のリハビリを自宅で行う場合。
ターミナルケア:末期の患者が自宅で最期の時間を過ごしたい場合。

2)在宅看護と介護保険の違い

在宅看護は、公的健康保険や介護保険のどちらかでカバーされます。
医療的なケアが主な目的の場合は健康保険、日常生活のサポートが主な目的の場合は介護保険が適用されます。
この違いにより、サービス内容や料金が異なるため、具体的なケアの内容に応じて適切な制度を選ぶ必要があります。

3)介護保険外の民間サービス

介護保険外のサービスは、介護施設や介護サービス事業者、民間企業が提供しています。
これらのサービスは、介護保険でカバーされない部分を補完する役割を果たします。
主なサービスには以下のようなものがあります。
①訪問介護:日常生活の支援(入浴、食事、掃除など)を行うヘルパーが自宅を訪問します。
介護保険が適用されない場合でも、自己負担で利用できるサービスとして提供されています。
②デイサービス:日中に施設で食事、入浴、リハビリなどを提供するサービスです。
特に介護者が働いている場合、利用者を日中預かることで時間的な余裕を作ることができます。
リハビリテーション:専門のリハビリテーション施設で物理療法、作業療法、言語療法などが提供されます。
介護保険の範囲外であっても、個別のリハビリプログラムを受けることが可能です。
④ショートステイ:一時的に施設でのケアを受けることで、介護者が休養を取るためのサービスです。
短期間の入所が可能で、介護者が旅行や休息を必要とする際に利用されます。
⑤食事配達サービス:介護施設が提供する食事配達サービスでは、栄養バランスの取れた食事を自宅に届けることができます。
特に調理が困難な場合や、食事の準備が負担となる場合に利用されています。

4)介護施設以外のサービス提供者

介護施設以外にも、以下のような民間企業や非営利団体(NPO)がサービスを提供しています。
①家事代行サービス:民間の家事代行会社が提供するサービスで、掃除や洗濯、買い物代行など日常生活の家事を支援します。
②ケアマネジメントサービス:介護保険の枠外で、個別のケアプラン作成やサービス調整を行うケアマネジャーが提供するサービス。
③民間リハビリテーションプログラム:リハビリ専門の企業やクリニックが提供する、介護保険外のリハビリプログラム。

5)民間サービスの選び方と注意点

民間サービスを選ぶ際には、以下の点に注意が必要です。
サービスの質:提供者の資格や経験、サービス内容を確認します。
例えば、看護師やヘルパーの資格保有状況や、サービスの提供実績などを調べることが重要です。
料金:料金体系が明確であるか、契約内容に含まれるサービスが料金に見合っているかを確認します。
特に、追加料金が発生する場合の条件や費用を事前に確認しておくことが必要です。
契約条件:解約条件や契約期間など、細かい条件を事前に確認することが重要です。
契約書に記載されている条項をよく読み、納得のいく内容であるか確認しましょう。
評判と口コミ:他の利用者の評判や口コミを参考にし、サービスの信頼性を確認します。
インターネット上のレビューサイトや、知人の紹介などを利用して情報収集を行うことが有効です。

1)地方自治体の支援制度

多くの地方自治体では、介護をサポートするための独自の支援制度を設けています。
これらの制度は、地域ごとに異なるため、詳細は各自治体の窓口で確認する必要があります。
以下にいくつかの例を挙げます。
①介護用品の補助金:介護ベッドや車椅子などの介護用品を購入する際の補助金制度。
経済的負担を軽減するために活用できます。
例:東京都の「高齢者介護用品購入補助制度」
②家族介護者支援金:家族が介護に専念するための経済的支援を提供する制度。
一定の条件を満たす場合に支給されます。
例:大阪市の「家族介護者支援金制度」
③緊急時の一時的な介護支援:急な体調不良や事故などで一時的に介護が必要になった場合の支援。
緊急時のサービス提供を行います。
例:神奈川県の「緊急時介護支援事業」

2)民間保険と介護サービス

民間保険会社が提供する介護保険は、公的な介護保険の補完として利用できます。
これにより、介護保険の範囲外の費用をカバーすることができます。
以下に、主要な保険会社とその介護保険商品について紹介します。

損保ジャパンの「介護一時金保険」
・特徴:要介護状態になった際に一時金を受け取ることができる。自由に使える資金として利用可能。
・費用:月額数千円から。
・留意点:一時金の受け取り条件や受け取れる金額に制限がある。
⇒ 介護一時金保険 – 損保ジャパン
メットライフ生命の「介護保障特約付き終身保険」
・特徴:終身保険に介護保障が付帯しているため、介護が必要になった場合に介護年金が支給される。
・費用:保険料は年齢や健康状態による。
・留意点:介護年金の支給額や期間に制限がある。
⇒ 介護保障特約付き終身保険 – メットライフ生命
アフラックの「介護保険」
・特徴:介護状態に応じた定額給付金が支給される。要介護状態の認定に基づく。
・費用:月額数千円から。
・留意点:給付金の支給条件や対象となる介護状態の基準が細かく設定されている。
⇒ 介護保険 – アフラック
第一生命の「介護終身保険」
・特徴:終身型の介護保険で、要介護状態に応じた保険金が支払われる。終身にわたる保障。
・費用:保険料は加入時の年齢や性別により異なる。
・留意点:保障内容や保険金の支給条件について詳細な理解が必要。
⇒ 介護終身保険 – 第一生命

最近では、保険会社の多くが介護保険サービスを提供していますから、みなさんが現在加入している保険会社に問い合わせてみてはと思います。

3)NPOやボランティア団体の支援

NPOやボランティア団体は、介護支援のためのさまざまなサービスを提供しています。
これらの団体は、特に介護に対する社会的な理解を深めるための活動を行っており、家族介護者にとって重要なリソースとなります。
介護相談:介護に関する専門的なアドバイスを提供。介護者が直面する問題についての相談に応じます。
心理的サポート:介護者のストレスや心理的負担を軽減するためのカウンセリングやサポートグループ。
情報提供:介護に関する最新の情報や制度の紹介。イベントやセミナーを通じて情報を提供します。

4)NPOやボランティア団体の検索方法

各地域におけるNPOやボランティア団体の情報を調べるには、インターネット検索が有効です。
具体的には「地域名+NPO+介護支援」や「地域名+ボランティア+介護」などのキーワードで検索することで、その地域で活動している団体を見つけることができます。
また、地方自治体のホームページや地域の福祉センターに問い合わせると、さらに詳しい情報が得られることがあります。

在宅看護や介護保険外のサービス、地方自治体の支援制度、民間保険、NPOやボランティア団体の支援を適切に活用することで、介護における負担を大幅に軽減できます。
介護離職を防ぐためにも、広くこうした情報を入手し、調べておくことをお薦めします。
但し、そのほとんどが有料・有償です。
通常の公的介護保険および公的医療保険での出費とは別に発生する費用です。
紹介した民間保険会社の介護保険では、当然「保険料」の支払いが必要です。
これから想定される家族介護、自身の介護について考えた上で、
・どれが有効か、不可欠か、
・介護される人の収入・預貯金・資産、
・介護する人の収入・預貯金・資産、
なども十分考慮し、加入・利用などの判断を行うことになります。
従い、今回紹介したこれらのサービスや制度を活用するためには、事前に十分な情報収集を行い、自身の状況に最適なサポートを選ぶことが重要です。
この記事を参考に、自分や家族の介護生活をより良いものにしていくための計画を立て、介護離職を防ぐための備えにもなるよう取り組んで頂きたいと思います。

次節は、「介護にかかる費用と負担軽減の方法」を取り上げます。

介護にかかる費用は、想像以上に家計へ大きな影響を及ぼします。
在宅介護や施設利用が長期化すると、生活費や就労に直接影響し、結果として介護離職につながるケースも少なくありません。
この節では、介護に実際どの程度の費用がかかるのか、そしてその負担を軽減するための具体的な制度や方法を整理します。

介護保険法に基づいて運営・運用される公的介護サービスは、原則として、介護保険被保険者および企業負担の介護保険料と、介護サービスを受ける人の自己負担によってその費用が賄われています。

しかし現実には、介護費用の負担が生活費を圧迫し、日常生活そのものに支障をきたしている家庭が少なくありません。
経済的に余裕のない親など家族の介護を担う人が、自身の収入を介護費用の補填に充てざるを得ないケースも多く見られます。

さらに、日々の介護を実際に担う家族がいない、あるいは仕事との両立が難しいことから、やむを得ず仕事を辞め、介護離職を選択する人が年々増え続けていることも、大きな社会問題となっています。
この場合、当然ながら収入は減少、あるいは途絶えることになり、介護費用の負担は一層重くのしかかります。

だからこそ、実際に介護費用がどの程度かかるのかを正しく知り、その費用を少しでも軽減・節減できる制度や方法について、事前に有効な情報と知識を身につけておくことが重要です。
本節では、この視点から、介護にかかる費用の実態と、負担を軽減するための具体的な制度・方法について整理していきます。

1)介護サービスの2つの種類と料金設定

①在宅サービス:
居住している自宅やアパート・マンションで、在宅で、各種介護サービスを受ける形態です。
訪問介護、デイサービス、ショートステイなどの在宅サービスの料金は、利用頻度やサービス内容によって異なります。訪問介護は1時間あたりの料金が設定されており、地域や提供事業者によって価格が変動します。
デイサービスやショートステイの費用も、利用時間や追加サービスの有無により異なります。
②施設サービス:
介護関連施設に入所・入居し、そこで各種介護サービスを受ける形態です。
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホームなどの施設サービスは、月額の費用が高額になることが多いです。
これには、施設の設備やケアの質、所在地などが影響します。
それぞれ、入所に当たっては、契約内容をしっかり確認し、十分理解した上で、入所あるいは利用することが不可欠です。

2)介護保険サービスにかかる基本利用料

介護保険サービスを利用した場合の利用者負担は、介護サービスにかかった費用の1割(一定以上所得者の場合は2割又は3割)です。
仮に1万円分のサービスを利用した場合に支払う費用は、1千円(2割の場合は2千円)。
介護保険施設利用の場合は、費用の1割(一定以上所得者の場合は2割又は3割)負担のほかに、居住費、食費、日常生活費の負担も必要になります。
ただし、所得の低い方や、1ヶ月の利用料が高額になった方については、別に負担の軽減措置が設けられており、次項で紹介します。
※居宅サービスを利用する場合は、利用できるサービスの量(支給限度額)が要介護度別に定められています。
なお、介護保険財政の悪化から、利用者負担を増額する検討が継続して行われています。
この負担率や負担限度額などが、見直されることが多いので、関心をもって頂きたいと思います。

3)サービス利用者の費用負担等

<居宅サービスの1ヶ月あたりの利用限度額>

居宅サービスを利用する場合は、利用できるサービスの量(支給限度額)が要介護度別に定められています。
(1ヶ月あたりの限度額:下記表のとおり)
限度額の範囲内でサービスを利用した場合は、1割(一定以上所得者の場合は2割又は3割)の自己負担です。
限度額を超えてサービスを利用した場合は、超えた分が全額自己負担となります。

<施設サービス自己負担の1ヶ月あたりの目安>

個室や多床室〔相部屋〕など住環境の違いによって自己負担額が変わります。

※介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の1ヶ月の自己負担の目安


なお、これらの費用負担も、定期・定例化されている介護保険制度の改訂ごとに改定されることが多々あります。
都度、確認する必要があります。

4)介護保険適用外およびその他の関連費用

介護保険外のサービス:
自費での介護や専門的なリハビリテーション、特別な食事や生活支援など、介護保険が適用されないサービスも存在します。
これらの費用は全額自己負担となり、特に質の高いサービスを希望する場合、負担が大きくなることがあります。
医療費と関連費用
介護と共に発生する医療費や薬代、通院費用なども無視できない負担です。
また、福祉用具や住宅改修の費用も介護に関連するコストとして考慮する必要があります。
後述する<高額医療・高額介護合算制度>についても知っておいてください。

介護保険を利用することで、サービス費用の一定割合が軽減されます。
自己負担額は一般的に1割から3割で、所得によって異なります。
特に低所得者向けの軽減制度も存在し、申請によって自己負担額をさらに抑えることができます。

1)利用者負担の軽減について

利用者負担が過重にならないよう、所得に応じた区分により次の措置が講じられています。

一定額を超える介護費用を支払った場合、高額介護サービス費制度を利用して払い戻しを受けることができます。
この制度は、家庭の経済状況を基にして給付されるため、家族の負担を大きく軽減する手段となります。
月々の利用者負担額(福祉用具購入費や食費・居住費等一部を除く。)の合計額が所得に応じて区分された上限額を超えた場合、その超えた分が介護保険から支給されます。
支給を受けるためには、市区町村に申請することが必要です。


※「世帯」とは住民基本台帳上の世帯員で、介護サービスを利用した方全員の負担の合計の上限額を指し、「個人」とは介護サービスを利用したご本人の負担の上限額を指します。
※第4段階における課税所得による判定は、同一世帯内の65歳以上の方の課税所得により判定します。

同じ医療保険の世帯内で、医療保険と介護保険両方に自己負担が生じた場合は、合算後の負担額が軽減されます。
決められた限度額(年額)を500円以上超えた場合、医療保険者に申請をすると超えた分が支給されます。

介護保険施設入所者等の人で、所得や資産等が一定以下の方に対して、負担限度額を超えた居住費と食費の負担額が介護保険から支給されます。
特定入所者介護サービス費の利用には、負担限度額認定を受ける必要がありますのでお住まいの市区町村に申請をしてください。

上記の各制度についても、法改正で金額と内容が変更されることがあります。
都度、確認が必要です。

2)その他の公的支援制度

介護保険制度に基づく介護をサポートする制度・システムの活用以外に次の公的制度も場合によって有効なので知っておきたいものです。
①障害者手帳:
介護が必要な方が障害者手帳を取得することで、公共交通機関の利用料金の割引や、税金の軽減など、様々な支援を受けることができます。
自治体独自の支援制度
一部の自治体では、介護にかかる費用を補助するための独自の制度を設けています。
例として、介護用品の購入費用の補助や、緊急時の一時的な支援などが挙げられます。

1)費用軽減の具体的例

ここでは、個人レベルでの費用軽減・節減を実践した具体例を2例挙げます。
(例1): 高額介護サービス費の利用
Aさんは在宅介護を受けており、月々の介護サービス費用が高額になることが多いです。
高額介護サービス費制度を利用することで、一定額を超える部分が払い戻しされ、自己負担が軽減されました。
例えば、月額自己負担上限額が37,200円に設定されている場合、それを超えた金額は返還されるため、年間で大きな節約ができました。
例2): 介護用品の補助金活用
Bさんは要介護状態の家族のために特殊寝台を購入しましたが、高額なため負担が大きいと感じていました。
そこで、市町村が提供する介護用品の補助金制度を活用し、購入費用の一部を補助してもらうことができました。
これにより、実質的な負担を大幅に軽減することができました。

2)自治体の介護支援政策例

次に、多くの自治体で介護支援制度を条例として制定し、活用されていますが、その中からごく一部を紹介します。
<上越市 – 介護用品購入費助成
要介護認定を受けている市民に対し、介護用品の購入費用を助成する制度があります。
対象となる用品には、車椅子や特殊寝台などが含まれ、購入費用の一部が補助されます。
特に、上越市内の介護ショップで購入する場合、補助率が優遇されることがあります。
<高山市 – 地域支援サービス助成>
介護保険の対象外となる地域支援サービス(買い物代行や訪問リハビリなど)に対し、利用費用の一部を助成しています。
特に、高齢者の一人暮らしや夫婦のみの世帯を対象に、負担軽減を図るための支援が行われています。
<延岡市 – バリアフリー住宅改修費助成
高齢者や障がい者が安心して生活できるよう、バリアフリー化を目的とした住宅改修費用を助成しています。
対象の改修内容には、手すりの設置、段差の解消、浴室改装などがあり、最大で15万円の補助を受けることができます。
<米沢市 – 緊急一時介護サービス支援>
家族の急病や不在時に一時的に介護が必要な場合、ショートステイや訪問介護サービスの費用を助成する制度があります。
特に、短期間の利用が必要な緊急時に迅速な対応が可能となるよう、予算が確保されています。
・<大阪市 – 介護保険外サービス利用助成>
大阪市では、介護保険の対象外となるサービス(例えば、訪問理美容サービスや買い物代行サービスなど)を利用する際の費用を一部助成する制度があります。
助成額は利用したサービスの半額まで、年間で最大30万円の補助が受けられます。

これらの地方自治体の支援制度は、地域によって特色があります。
地元の自治体の支援制度について、市町村の介護担当部門に問い合わせ、あるいは、ネットで調べ、これを活用することで費用負担の軽減につなげてください。

最後に、第2章各節の内容も受けて、介護にかかる費用を節減・軽減するための方法を総括しました。

1)公的支援制度の活用

介護保険制度、高額介護サービス費、自治体の助成金制度など、利用可能な公的支援制度を最大限に活用しましょう。
これにより、自己負担額を相当抑えることが可能です。

2)民間保険の活用

民間の介護保険に加入することで、将来的な介護費用に備えることができます。
保険料の負担はあるものの、給付金を受け取ることで自己負担を軽減できます。

3)適切なケアプランの作成

ケアマネージャーと協力して、必要な介護サービスを適切に選択し、無駄のないケアプランを作成することが重要です。
これにより、効果的にサービスを利用し、費用を最小限に抑えることができます。

4)地域のリソースの利用

地域包括支援センターや地域の介護支援団体を活用することで、無料または低コストでのサポートを受けることが可能です。
情報収集や相談の場としても有効です。

これらの方法を組み合わせることで、介護にかかる費用を効果的に節約し、介護を受ける人、介護を担う人とその家族の負担を軽減することができます。
介護は長期的な課題となるため、事前に多面的に調べておくとともに、計画的に対策を講じることが重要です。
できることならば、こうした介護費用について理解を深め、介護離職を余儀なくされることがないよう、準備・対策に結びつけて頂ければと思います。

次節では、ここまでを受けて、介護保険法で規定されて実際に提供される介護サービス、介助サービスの内容について理解することにしました。

介護保険制度を理解していても、
「実際に、どのような介護サービスが受けられるのか」
「それぞれのサービスに、どの程度の費用がかかるのか」
まで具体的に把握できている人は多くありません。

介護離職を防ぐためには、制度の知識だけでなく、サービス内容と費用を具体的にイメージできる状態にしておくことが不可欠です。

介護保険で提供されるサービスには、在宅で受けるもの、施設で受けるもの、短期間利用するものなど、さまざまな種類があります。
また、それぞれのサービスには「単位数」という共通の計算基準が設定されており、これに基づいて介護報酬や利用者の自己負担額が決まっています。

本節ではまず、介護サービスと介助サービスの基本的な区分を整理したうえで、
・どのようなサービスが
・どのような単位数で
・どの程度の自己負担になるのか
を、具体例を用いて確認していきます。

さらに、特別養護老人ホーム(特養)やサービス付き高齢者住宅(サ高住)を例に、1か月あたりの介護サービス利用単位数と自己負担額の試算を行い、実際の費用感を把握します。
介護サービスの内容と費用構造を正しく理解することで、過不足のないサービス選択と、介護離職を回避するための現実的な準備につなげていきましょう。

介護サービスと介助サービスは、介護保険制度内で提供される主要な支援内容と違いを意味します。
介護サービスは、日常生活をサポートするものであり、例えば、食事の準備や掃除、洗濯などの生活援助を含みます。
一方、介助サービスは、身体的なケアに焦点を当てたサービスで、入浴や排泄、移動の支援などを提供します。
この区分は、利用者のニーズに応じて、提供されるケアの内容を明確に分けるために重要です。

1)介護サービスの分類と内容

訪問介護(ホームヘルプサービス):日常生活支援
自宅で生活援助、身体介護の日常生活支援を提供します。
生活援助:食事の準備、掃除、洗濯、買い物、ゴミ出しなど、日常生活の基本的な活動のサポートです。
身体介護:入浴、排泄、着替え、食事の介助、移動のサポートなど、身体的な介護が必要な場合の支援です。
デイサービス(通所介護):日中の生活支援
施設での食事、入浴、機能訓練、日中の活動や交流の場を提供し、家族の介護負担を軽減します。
食事提供:利用者に昼食やおやつを提供し、栄養管理を行います。
入浴介助:利用者が安全に入浴できるよう、必要な介助を行います。
機能訓練:日常生活動作の向上を目指したリハビリテーションやレクリエーション活動があります。
③ ショートステイ(短期入所生活介護)
短期間の入所による食事、入浴、介護を提供します。
家族の休養や不在時に利用します。
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
認知症高齢者向けの家庭的な共同生活環境での支援を行い、認知症の進行を遅らせる日常生活支援を提供します。

2)介助サービスの分類と内容

訪問入浴介護
専門職員が自宅で入浴の介助を行います。
自宅での入浴が困難な高齢者向けです。
訪問看護
看護師が自宅を訪問し、医療的なケアを提供します。
病状観察、医療機器の使用サポート、医師の指示に基づく医療行為を行います。
訪問リハビリテーション
理学療法士や作業療法士による自宅でのリハビリテーションを行い、身体機能の維持・向上を図ります。
訪問介護看護
訪問介護と訪問看護を組み合わせ、医療ケアと日常生活の支援を同時に提供します。

3)サービス選択と利用のポイント

①ケアプランの作成:
ケアマネージャーが利用者のニーズに応じたプランを作成します。
②サービスの質と提供者の選定:
経験豊富で信頼できる提供者を選び、定期的にサービス内容を確認します。

介護における単位とは、地域区分、サービスの種類や時間数、介護度、人件費割合などによって設定された点数のことです。
その計算は、地域とサービスによって決定される単位数に1単位ごとの単価(単価は1単位=10円が基本)を掛け合わされたもので、それに基づいて利用者の負担額が算出されます。
またこれは、介護サービス事業者が利用者に行った介護サービスの算出基準であり、介護保険財政主管に請求する事業収益計算の証拠となるものです。

各介護サービス事業者は、サービス提供に際して設定された単位数に、地域ごとに定められた単位あたりの単価を掛け合わせることで、利用者に請求する金額を決定します。
利用者の自己負担は、通常1割から3割で、残りは介護保険から支払われます。

以下は、介護サービスの事業種区分の中から一部を取り出して例として示した具体的な単位数です。

1)訪問介護(ホームヘルプサービス)

身体介護:30分未満は約250単位、30分以上1時間未満は約500単位、1時間以上1時間30分未満は約750単位など。
時間帯で単位数が設定されており、サービスの内容や時間に応じて異なります。
生活援助:20分未満は約100単位、20分以上45分未満は約200単位、45分以上は約250単位など。
家事援助の時間に応じて単位が設定されています。。

2)デイサービス(通所介護)

①基本単位(1日あたり):3時間以上5時間未満は約350単位、5時間以上7時間未満は約450単位、7時間以上9時間未満は約600単位など。
利用時間ごとに単位数が異なります
②加算単位:食事提供や機能訓練、特別なケアが必要な場合には追加の単位が加算されます。

3)ショートステイ(短期入所生活介護)

①基本単位(1日あたり):1日の利用につき単位が設定されており、サービスの提供時間や内容によって変動します。 一般室利用は約600単位、個室利用は約700単位です。
②医療的ケア:必要な場合には、別途単位が設定されることがあります。

4)訪問看護

①基本単位(1回あたり): 看護師が訪問する時間に基づいて単位が設定されており、また、医療的なケアが含まれる場合には別途単位が追加されます。
20分未満は約300単位、30分未満は約450単位、30分以上1時間未満は約800単位です。

詳細な単位数の設定や計算方法については、厚生労働省の公式資料や各地域の介護保険制度の説明書に詳述されています。
例えば、こうした介護サービスのすべての介護保険制度で規定した事業種の特徴と、それぞれに対応した単位数などは、下の資料で確認することができます。
⇒ 各介護サービスについて


⇒ 介護給付費単位数等サービスコード表(令和6年4月施行版)
利用者やその家族がこれらの情報を理解することで、適切な介護サービスの選択と費用計画を立てることが可能になります。

上の画像<各介護サービスについて>で示された介護サービスの事業運営形態リストから、「訪問介護」についての記述部分を抽出し、サービス類型、サービス行為区分、介護報酬に関する資料画像を以下に掲示しました。
介護および介助サービスについて具体的なイメージを持って頂くための参考になればと思います。
介護報酬は、本来介護事業者が介護財政主管部署に請求する計算根拠になるものですが、その1割(2~3割)がサービスを受ける人の自己負担になる単位数というわけです。


ここでは、前項と前々項を受けて、特養(特別養護老人ホーム)とサ高住(サービス付き高齢者住宅)を1か月間利用した場合の標準的な介護サービス利用単位数と自己負担額を調べてみることにします。

1)特別養護老人ホーム(特養)要介護3の場合の月間単位数・自己負担額とその根拠

① 基本的な介護サービス種別単位数
基本介護:日常生活の介護全般(食事、排泄、着替えなど)
1日の介護時間の平均値から、1日あたり約246単位(7,380単位 ÷ 30日)として計算、7,380単位/月
通常、特養では24時間体制でケアが提供されるため、この単位数は介護度に応じた日常的なサポートを反映しています。
医療管理:定期的な健康チェック、服薬管理、医療機器の操作など
1回あたり30分〜1時間、毎日または週数回行い、単位数は、1日あたり50単位として1,500単位/月
特養では医療管理が必要な利用者が多く、これが標準的な単位数になります。
機能訓練:理学療法、作業療法、リハビリテーション
週2〜3回、 1回あたり30分〜1時間で100単位とし、週3回の訓練で月12回で、1,200単位/月となります。
食事支援:食事の準備、配膳、食事介助
毎日毎食、1回あたり30分〜1時間。 1食あたり約33単位とし、1日3食で月に90回の支援が行われる場合1,000単位/月
入浴支援:入浴の介助
週2〜3回、 1回あたり30分〜1時間、約50単位とし、週2回の入浴介助で月8回の場合の単位数が500単位/月
② 合計単位数:11,580単位/月
③ 月間自己負担額:約11,580円(1割負担の場合)
④ 単位数の根拠
基本介護: 1日あたり約246単位(7,380単位 ÷ 30日)
医療管理: 1日あたり50単位(1,500単位 ÷ 30日)
機能訓練:1回あたり100単位、週3回の訓練で月12回(1,200単位/月)
食事支援:1食あたり約33単位、1日3食で月90回(1,000単位/月)
・入浴支援:1回あたり50単位、週2回の入浴介助で月8回(500単位/月)

これらの単位数は、要介護3と設定し、標準的な例を基にした推定であり、実際のサービス提供状況によって異なる場合があります。
また、サービス内容や頻度も、利用者の状況や施設の方針によって異なるので、個別に確認することが必要です。
この試算は介護保険が適用される介護サービスだけに限定しており、介護保険外サービス費用は含みません。
また食費、施設利用料なども現制度では保険適用外ですから、注意が必要です。

比較するには分かりにくい資料ですが、まず通常と違うのが、5月の請求額に、エアマット購入代94,610円が入っており特養にしては高額になっていること。
この月だけに発生した一時的な費用であり、この額を差し引くと約11万円です。
ではこの額のうちのどの項目が、介護保険適用サービス費用なのかが、この資料からは読み取れません。
上記試算額約11,580円に近い額は、この図の中から特定することが難しかったのです。
実際には当初は、義母の年金収入は、月平均11万円。
特養への支払額に少しだけ不足する状態であり、下の方の資料の<要介護4><第3段階>月額95,760円に若干費用が加算されたものであったと思います。
11,580円は、施設費や食事代、日用品代などは含まない単位数なので、請求書のそれらの保険外費用を考慮すると、実際と大きく異なる数字・金額ではないと思われます。

2)サービス付き高齢者住宅(サ高住)要介護1の場合の月間単位数・自己負担額とその根拠

① 基本的な介護サービス別単位数
基本介護日常生活の介護(軽度な支援)
毎日または必要に応じて、1日あたりの平均時間を想定し、1日あたり約143単位、月合計4,300単位/月
サ高住では特養ほどの密なケアは提供されず、利用者の自立度に応じた軽度な支援が主です。
医療管理:服薬管理や健康チェック
毎日または週数回、 1回あたり30分、1日あたり約33単位として、1000単位/月
機能訓練:基本的なリハビリテーション
週1〜2回、1回あたり30分、 1回あたり約100単位、月8回の機能訓練を受ける場合の単位数として800単位/月
食事支援:食事の準備と配膳、軽度の食事介助
毎食、 1回あたり30分、 1食あたり約20単位、1日3食で月に90回の支援が行われる場合として600単位/月
入浴支援:入浴のサポート
週1回、1回あたり30分、1回あたり約50単位、月に8回の支援が行われる場合、400単位/月
これらの単位数は、要介護1を設定し、標準的な例を基にした推定であり、実際のサービス提供状況によって異なる場合があります。
また、サービス内容や頻度も、利用者の状況や施設の方針によって異なるので、個別に確認することが必要です。
② 合計単位数: 7,100単位/月
③ 月間自己負担額:約7,100円(1割負担の場合)
④ 単位数の根拠
基本介護: 1日あたり約143単位(4,300単位 ÷ 30日)
医療管理: 1日あたり約33単位(1,000単位 ÷ 30日)
機能訓練: 1回あたり100単位、月8回の機能訓練(800単位/月)
食事支援: 1食あたり約20単位、1日3食で月90回(600単位/月)
入浴支援: 1回あたり約50単位、月8回の入浴介助(400単位/月)

以上が、要介護1で、サ高住利用時の介護保険適用介護サービスを受けた場合の、あくまでも一つの単位数および自己負担額の試算例です。

この例と、義母がサ高住に入所していた折り作成された、以下の平成29年1月の請求書の該当部分と比較してみたいと思います。
この時、要介護度は要介護1。
上記の試算では、月間自己負担額が 約7,100円となっています。
これに対し、この請求書では、<※介護保険1割負担>部分が該当し、3,474円(+医療分262円)と低額になっています。
その理由は、現在の単位数が、その後の法改定で引き上げられ、当時の方が低かったのではということ。
そして何よりも、義母が受けていた介護サービスが、少なかったことが最大の理由です。
他施設へ出向いていってのリハビリを拒否するなど、義母自身が多くを望まなかったことと、施設の職員が人手不足で、多くサービスを提供できなかったためと思います。
利用者サイドの意向を受け、かつ施設の事情もあって、ケアマネジャーがそれにそってサービス計画を立て、施設が運営したためといえます。
とはいっても、サ高住は、家賃収益や共益費、保険外の、施設サイドで決めた生活支援サービス費で、相応の収益を上げているわけで、その金額がこの請求書に反映されていることが分かります。

厚労省HPに、介護サービス概算料金の試算ができる欄がありましたので、紹介します。
試しに、①②③それぞれの条件を選択設定して、介護保険サービスを利用した場合の費用を確認してみてください。
⇒ 概算料金の試算 | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」 (mhlw.go.jp)
のリンクを開き、現れた画面で、以下を操作して計算された金額がその費用の概算額です。

分類から選択:自宅に住む、施設に住むのいずれかを選択します。
要介護度の選択:要支援1.2、要介護1.2.3.4.5 のいずれか該当するものを選択します。
サービス名の選択:利用する1つ、複数利用する場合は該当するものを選択します。

自宅で介護サービスを受ける場合の費用の試算

施設で介護サービスを受ける場合の介護費用試算

なお、上記の施設ごとの単位数試算例については、単位数・加算・地域区分・施設類型・体制加算等の条件で変動します。
その都度確認が必要であることをご了承ください。

本章(ステップ2)では、介護離職を防ぐための前提として欠かせない、介護保険制度と支援サービスを「使える知識」として理解することを目的に、制度の全体像から実務、費用、保険外支援までを整理してきました。

まず、介護保険制度の仕組みや利用条件を確認し、誰が、どのような場合に介護保険サービスを利用できるのかを明確にしました。
続いて、要介護・要支援認定の申請手順や必要書類、認定後のケアプラン作成からサービス利用開始までの流れを具体的に確認することで、「いざという時に何から始めればよいのか」が見える状態を目指しました。

さらに、在宅看護や介護保険外サービス、自治体独自の支援制度、民間保険、NPO・ボランティア団体など、公的介護保険だけに頼らない支援の選択肢についても整理しました。
介護は長期化するケースが多く、保険内サービスだけでは負担を賄いきれない場面も少なくありません。こうした現実を踏まえ、複数の支援を組み合わせる視点が重要であることを確認しました。

後半では、介護にかかる費用の実態と自己負担の仕組み、高額介護サービス費や高額医療・高額介護合算制度などの負担軽減制度を取り上げ、費用面から介護離職に直結するリスクを整理しました。
また、介護サービスの単位数や自己負担額の考え方、特養やサ高住を例とした具体的な費用試算を通じて、介護費用を「感覚」ではなく「数字」で捉えることの重要性を示しました。

介護離職は、突然の出来事ではなく、
・制度を知らない
・手続きを後回しにする
・費用の見通しを持てない
といった小さな不安や準備不足が積み重なった結果として起こるケースが多く見られます。

本章で整理した内容を把握しておくことで、介護が必要になった際にも、慌てずに制度やサービスを選択し、仕事と介護を両立するための判断材料を持つことができます。

次章(ステップ3)では、こうした知識を踏まえたうえで、介護施設と在宅介護の選択肢、その組み合わせ方、介護離職を防ぐための具体的な判断ポイントについて、さらに踏み込んで確認していきます。

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