まがい物のMAGA、始まった岩盤支持層の看板降ろし|離反が示す民主主義の逆流

SOCIETY

先日「法の支配」に対する疑問というか、恐怖感について以下の記事を投稿した。


自分が「法」であるとし、「法を支配した」トランプ大統領。
そして、「法は破るためにある」を実践する、ローマ法王をも罵倒するKING・トランプ。

その支持率が低下の一途をたどっている(らしい)。
彼に言わせれば都合の悪い情報は、すべてフェイク。
その彼も、さすがにこのところの選挙結果と、迫っている中間選挙は気になるらしい。

今日2026年5月4日日経朝刊に以下の記事が。
⇒ 米中間選挙まで半年(上)「MAGA看板下ろす時」  揺らぐトランプ岩盤層、イラン攻撃に不満 両院敗北、共和に危機感 – 日本経済新聞

この記事の焦点は、
格差や孤立への不満を背景に拡大した運動としてのMAGA(“Make America Great Again”)。
しかし、その基盤となる社会的・経済的問題が解消されない中で、次第に支持の揺らぎも見え始めている。
強権的手法や分断の深化に対する違和感から、距離を置く層が生まれつつあり、内部の結束は一枚岩ではなくなりつつある。
というもの。

こうした離反は、先の関税問題に端を発した物価上昇など日常生活への影響が、中東戦争が大統領主導で引き起こされ、拡大・加速化したことが要因となっていることは明らかである。

自ら種をまいたのだが、それが自身の支持率の継続的な低下に繋がり、絶対的と思っていた支持層の離反の広がりをひしひしと感じ始めているのだろう。
これを取り上げた論説記事だった。

なお、MAGAに関しては、昨年2025年末、以下の2記事を他サイトで投稿している。
関心を持ってもらえたら見てください。
⇒ 「MAGAの空洞化とMCGHHの台頭──トランプ・習近平会談から読み解く覇権構造の転換」 – ONOLOGUE2050
⇒ MAGA vs MCGHH:温暖化対策を「無視」する米国と「主役」を狙う中国【COP30と日本の課題】 – ONOLOGUE2050
今回の記事と緊密に繋がっています。

もう一つ同日日経に掲載された以下の記事。
(核心)米国の悲しき逆U字カーブ  特別編集委員 小竹洋之 – 日本経済新聞

米国の悲しき逆U字カーブ」と題した同紙スタッフによる論説である。

その冒頭あったのが「エ・プルリブス・ウヌム(多様から生まれた統一)」という言葉。
13州の移民らが、英国からの独立を勝ち取った出自を誇るラテン語という。

これを受けて、こう続けている。
「そんな理念が今や色あせて見える。建国250周年を2カ月後に控えた米国では、トランプ大統領が容赦なく強権を振るい、民主主義の存立基盤を脅かす。専制に近いと言われても仕方ない。」
もう十二分に脅かしており、専制そのものである。

次に示したのが、「歴史の逆流」
これを私は、「民主主義の逆流」と読み替えた。

ロバート・パットナムハーバード大名誉教授の言として以下を挙げている。
「最も心配しているのはトランプ氏自身より、この指導者を呼び込んだ米国の根深い問題だ」
実はこれも民主主義の一つの現われなのだ。
加えて、「法の支配」の現われでもある。

そして同氏が2020年の共著で示した、米国の盛衰を映す「逆U字カーブ」
経済的平等、政治的協力、社会的連帯、文化的共感。
それらの度合いを示す指標が、過去100年余の間に上昇(改善)から下降(悪化)に転じたことでの逆U字カーブというわけだ。
この間の歴史の変遷の記述は省略するが、単純に逆U字カーブを描いたわけではないことは言うまでもない。


そして「今起きていることは、トランプ氏に抗議する『No Kings(王は要らない)』運動は、「法の支配」を確認させる市民的不服従の現代版と言えるかもしれない」と。
ここでも、例の「法の支配」が使われている。
トランプを生み出したのも「法の支配」の一端なのだ。
そしてその「法を破っている」のも彼なのだ。

私が米国を好きな理由は二つある。
一応、民主主義を掲げる一つの象徴的国家であること。
しかし、その看板も下ろすべき国家になってしまった。
独裁トランプによる、法律破りの国家になりさがってしまったから。
そのトランプが、民主主義の根幹システムである選挙が怖いらしい。
支持率と共に。

もう一つ好きな理由は、歴史を遡れば英国にルーツがあるのだが、米国には王室がないこと。
王政が敷かれたことがないこと。
ただ、先述の米国誕生の経緯を考えれば、それは当然なのかもしれないが。

しかし、と言うべきか、だからこそ、と言うべきか、自らキングを名乗った。
これは喜劇。
フェイクならぬジョーク以外のなにものでもない。

そう言えば、確かに、トランプには、キングもあれば、ジョーカーもある・・・。

習近平ともプーチンとも、ある意味気脈を通じている。
彼らを羨ましく思っているからだ。
なぜなら、かの2人は、まがいもなく独裁者だから。

でも、選挙を気にするKING大統領。
すべてに矛盾を身にまとった人物。

彼との決別を考える人々が増えているという現実。
米国が、中国、ロシアと決定的に違うのは、一応は、間違いなく選挙に基づく民主主義国家であるということ。
だったはずだ。
揺り戻しはある、いずれ。
一応は、選挙制度が存在し、生きているはずだから。

私は、民主主義とは永遠の実験テーマであり、実践活動と思っている。
そういう意味では、トランプ米国政治も、米国民が選んだ一つの実験であったのだ。

いずれ、トランプは大統領の座から去る。
それまでに、どのような道をたどるのか。
本人は、真面目にやっているつもりだろうが、MAGAがまがい物だったことに、多くの人々と国々が知るところとなっている。
看板を下ろすべき日が、近づきつつある。
いずれ必ず来る。
あの岩盤支持層までもが、トランプ・ゲームカードを切り、選挙カードを書き換えようとしているのだから。
自らジョーカーを演じてきた彼の手札に、新たなジョーカーはない。
カードが要らない、無法のトランプではあるが・・・。

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