望ましい高齢生活を送るための終活8ステップ:第3ステップ|老後の生活設計と医療・介護の備え 

LIFE STAGE

老後の終活で多くの方がつまずくのは、「何を、どの順番で、どこまで準備しておけば安心なのか」が見えにくい点です。
第3ステップでは、終活の中心課題の一つである 「生活設計(お金)」「医療」「介護」 を一体で捉え、いざという時に慌てないための備えを整理します。

本記事は、老後資金(年金・就労・資産運用・保険・相続対策)、介護(制度理解・施設選び・費用見積り)、医療(保険制度・入院準備・在宅医療連携・意思表示)、さらに日常生活の設計(趣味・地域活動・任意後見など)までを、4つの節に分けてまとめた “実務ベースの統合版” です。
読むだけで終わらせず、「自分の場合は何が不足しているか」を点検しながら、エンディングノート(第2ステップ)に書き込める形に落とし込んでいきましょう。

※なお、本記事は、Webサイト・介護終活.com(https://kaigoshukatsu.comで公開していた、「望ましい高齢生活を送るための終活8ステップ」ー8~11の第3ステップの4記事」を、重複を整理しつつ統合・加筆修正した“改訂統合版”です
旧記事は、内容の重複を避けるため、順次、非公開化/リダイレクト/canonical設定などで整理します(検索エンジン向けにも重複を残さない運用を行います)。

第3ステップのテーマは、「老後の生活設計と医療・介護の備
以下の4つの節(3-1、3-2、3-3、3-4)で構成しています。

第3ステップ 高齢者の生活設計と医療・介護の備え
 3-1 老後の生活を安心化する資金計画
 1.高齢生活の資金計画:年金と生命保険の活用
 2.資産運用の方法とリスク管理
 3.相続税対策と非課税投資のメリット
 3-2 介護の準備
 1.介護保険制度と基礎知識
 2.介護施設とサービスの選び方
 3.介護にかかる費用と資金計画
 3-3 医療の準備
 1.老後の医療保険制度の基本
 2.入院準備・手続きと医療費負担対策
 3.介護と医療の関係と準備方法
 3-4 老後の生活設計と活動
 1.老後の生活費用と必要な準備項目
 2.老後を充実させる趣味や活動
 3.任意後見契約の活用法

老後資金2,000万円問題」により、年金だけでは生活費を賄うのが難しいという現実が明らかになっています。
そのため、就労収入や保有資産、そして生命保険を効果的に活用することが必要不可欠です。
本記事では、年金、就労、保有資産の運用、生命保険の活用、そして相続税対策について解説し、安心して老後生活を送るための資金管理についても考えてみます。

年金は老後生活の基盤ですが、夫婦とも存命の場合での計画的な受給が、生活の安定に大きく寄与します。
さらに、配偶者死亡時の遺族年金を活用することで、収入減少に備えることが重要です。

1)夫婦の年金受給の基本と支給額の仕組み

夫婦の年金は国民年金と厚生年金の組み合わせで構成され、平均的には15~25万円程度の月額収入が見込まれます。
繰り下げ受給を行うと、70歳まで受給を遅らせた場合、年金額が42%増加するため、生活にゆとりを持たせることが可能です。

2)配偶者死亡時の遺族年金の支給基準

遺族基礎年金と遺族厚生年金を活用することで、配偶者の死亡による収入減少を一定程度補うことができます。遺族厚生年金は、亡くなった配偶者の年金額の3/4が支給されますが、残された配偶者の老齢年金と一部併給されます。

3)遺族年金のシミュレーションと対策

配偶者が亡くなった場合の年金収入を予測し、生活費の再設計を行います。足りない分は資産運用や就労で補い、持続的な生活設計を目指します。

4)国民年金受給のみ、または低額年金所得の方の対策

厚生年金に加入できず、国民年金だけの収入の方や、厚生年金の加入期間の長短や低賃金による保険料納付額により、老後の年金収入が低額の方にとっては、やはり不安が大きく残り、また継続します。
老齢を迎える前に、不動産などの資産、預貯金・有価証券などで備えを行っておくことが望ましいのはいうまでもありません。
しかし、実際には老後格差問題も指摘されているように、老後資金に不安を持つ方々も多くいらっしゃいます。
年金については、厚生年金については、原則70歳までという加入年齢制限もあり、高齢化してからの対策は難しいのが現状です。
(但し、70歳になっても老齢年金の受給資格期間を満たしていない場合のみ、保険料は全額自己負担という条件で任意加入できます。)
家族からの支援や、次項にあるようにより長く働いて収入を得るなど、社会的な関係において頼ることができる資金対策を、今からでも整えていくことができればと思います。

老後の生活においては、前項の年金所得に加え、就労収入や預貯金、貴金属類、株式・投資信託等の有価証券、土地建物等不動産、生命保険など人それぞれの保有状況に応じた資金・資産管理を適切に行うことが必要になります。
その価額・価値も人それぞれで、事情に応じた資金管理と資金計画に取り組むことになります。

1)就労所得の有無と位置付け

定年延長、高齢者の再雇用やパートタイム就労が一般化しており、クラウドソーシングやオンラインワーク、在宅副業などに取り組むことも有効な収入源となります。
働くことで収入を得るだけでなく、社会参加を通じた心身の健康維持も期待できます。

2)その他の保有資産の種類と基本的な運用・活用計画

保有資産の現状把握:現金預金、株式・投資信託等有価証券類、、貴金属・ブランド品・骨とう品等用品雑貨類、不動産などの資産を把握整理し、リスト化し、どのように処理・処分するかなど考え、メモしていくとよいと思います。
資産運用:株式、投資信託、不動産などを組み合わせ、リスクを分散します。それらの処分計画も立てておきましょう。
FPへの相談:ファイナンシャルプランナーの助言を受けて、資産と保険のバランスを望ましい形になるよう備え、運用していくことも視野に入れておくことも選択肢としてあります。

3)終活の一手段としての生命保険と活用

生命保険の種類と役割
生命保険は、万一の際の遺族保障として、また死亡保険金を相続税の支払いに充てる手段としても重要です。
一般的な生命保険の種類を挙げました。
 終身保険:保障と資産運用を兼ねた保険です。
 定期保険:一定期間のみ保障するため、保険料が安価です。
 医療保険:病気やケガの入院費用に備えます。
最近では認知症保険や任意の民間介護保険に加入する人も増えています。
生命保険の確認・見直し
意外に生命保険は入りっぱなしであったり、保険内容を勘違いしていたり、保険期間(満期期限)を理解していない場合があるものです。
終活の一環として、現状加入している保険の内容・満期の有無などを確認し、不要な保険の整理、新しい保険加入なども検討してはと思います。

生命保険は、老後の不測の事態や想定される事態に備える重要な手段であり、加入中の保険の見直しや、今から加入可能な多種多様な保険を検討し備えることが有効です。

資産運用は老後資金を増やす手段であると同時に、適切なリスク管理が必要です。
特に、詐欺のリスクに注意することが不可欠です。

1)資産運用の種類と情報の入手方法

定期預金・国債:元本が保証される安定した資産運用として人気があります。相談など、銀行等金融機関との緊密なコミュニケーションを持つようにしておきたいものです。
株式投資:長期的な成長を狙った投資にとどまらず、新NISAの活用、中短期の売買による処分利益目的など、こちらもバランスといざとなった時の処理・処分計画の立案など、対策を講じておきましょう。証券会社の有効活用が不可欠です。
不動産投資:賃貸収入を得るための投資、保有不動産の処分や活用など、不動産会社のサポートを利用することも含め、備えておきます。

2)専門家の助言と分散投資の実践

上記の資産にとどまらず、保有する資産をどのように運用し、かつどのように処理・処分していくか。
金融機関・投資期間・フィナンシャルプランナー・不動産コンサルタント、税理士その他、関連する専門家の助言を受けつつ、リスク対策やリスク分散を図りながら、終活における重要課題に取り組んでいきます。
市場環境や生活状況・健康状態の変化などに応じたポートフォリオの見直しも都度行っていくことにしましょう。

3)詐欺リスクと防止策

著名人を騙るネット詐欺に注意し、金融庁の登録業者の確認を行うことが推奨されていますが、その手続きも簡単ではありません。不審に思ったら、相手への対応より、警察への相談・届け出を最優先させることを意識に入れておき、即、電話しましょう。
・SNS広告のリンクではなく、公式サイトを通じた情報取得が重要ですし、不審・不安を感じた場合には、まず警察の届出て、相談することが絶対に必要です。


老後においては、相続税対策を行い、資産を次世代に円滑に引き継ぐための計画が重要です。
ここでは、相続税の基礎知識や有効な対策方法について詳しく解説します。

1)相続税の基本と課税対象

相続税は、被相続人(亡くなった人)の財産を相続した際に発生する税金です。
課税対象は、遺産総額から控除額を引いた残額であり、主な対象財産として以下のようなものがあります。
 不動産(住宅、土地)
 預貯金
 株式や投資信託
 美術品、貴金属類
 その他の財産(生命保険金など)

基礎控除額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算され、この額を超える部分に対して相続税が課せられます。
ポイント:課税対象が高額になる場合、相続税の負担が大きくなるため、早めの対策が不可欠です。

2)生前贈与の方法と非課税贈与メリット

生前贈与は、相続が発生する前に財産を親族へ贈与することで、相続税負担を軽減する有効な方法です。
年間110万円の非課税贈与
年間110万円までの贈与は非課税とされており、計画的な生前贈与を通じて資産を移転することが推奨されます。
複数年にわたり贈与することで、相続財産の圧縮が可能です。
特例措置
教育資金の一括贈与や住宅取得資金の贈与に関しては、特例があり、一定額まで非課税で贈与が認められます。これにより、受贈者は相続発生時の税負担を大きく軽減できます。
注意点
生前贈与を行う際は、贈与契約書を作成し、適切な記録を保持することが大切です。また、贈与税の課税対象となるため、税務面の確認が必要です。

3)家族信託の内容とメリット

家族信託は、財産の管理や処分を指定された信託者に託すことで、資産を柔軟に運用し、相続をスムーズにする手法です。
家族信託とは 家族信託は、財産を持つ人(委託者)が信頼できる家族(受託者)に資産管理を託し、利益を受ける人(受益者)を指定する仕組みです。特に認知症リスクに備え、資産が凍結される事態を防ぐ手段として注目されています。
家族信託のメリット
資産管理の柔軟性:委託者の希望に沿った財産管理や運用が可能です。
相続トラブルの回避:相続人間の争いを防ぎ、スムーズな資産承継が実現できます。
税務対策:生前のうちに資産を効果的に運用し、必要に応じて相続税対策を行います。
活用例
認知症の発症に備えて、不動産や金融資産の管理を家族信託により設定し、柔軟に資産を動かせるようにすることで、生活資金に不安を抱えることなく老後を過ごすことが可能です。

本記事では、老後の資金計画として、年金の活用、就労収入、保有資産の管理、生命保険の利用、相続税対策を網羅的に解説しました。これらを組み合わせて実践することで、経済的な不安を最小限に抑え、充実した老後生活を送るための基盤が整います。
資金管理は長期的な視点が必要であり、必要に応じてファイナンシャルプランナーや専門家のアドバイスを受けることで、より具体的な計画を策定することができます。
また今回のテーマは、高齢者を取り巻く家族・親族及び家庭状況・生活状況によって、一元的に論じることには無理があります。
単身の高齢者も多く、かつ家族状況・家族関係によっても、老後資金問題は、人それぞれ皆異なります。
そのため、どうしても、一般的な視点から共通点が多い事項についての記述が中心になってしまっていることも十分認識しており、ご自身の現状・事情を勘案して、参考にして頂ければと思います。
なお、本来この記事では「老後資金2,000万円問題」と関連させて記述すべき側面もありましたが、これも多様性のある課題であるため、別の機会に、改めて考え、論じることにしたいと考えています。

<参考>
介護費用例:介護施設・サ高住&特養入所時費用例

例えば、介護にいくらくらいの費用が掛かるか?
介護保険法が定期的に改訂されているので現時点でこれが絶対的に正しいというわけではありませんが、多少は参考になるかと思われますので、過去の経験例としてこの以下の記事を参考にしてください。
⇒ 98歳義母「特養」介護体験記|コロナ禍における施設介護生活の記録 – 7ページ目 (11ページ中) – Life Stage Navi

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